入園前の心配に答える

Qわがままでこまります。
子供はみんなわがままです
子どもは、自分中心のものの見方や考え方をしていますが、それが発達の特性です。例えば自分が使いたいおもちゃをほかの子が使っていると、「あの子がぼくのおもちゃをとった」と自分の視点からかってに主張することがあります。このような姿は「わがまま」として受け止められてしまいますが、子どもの立場からすると当然の自己主張なのです。
がまんすることを、言葉で教えることはできません
集団生活では、自己主張は必ずしも許されず、さまざまな葛藤やトラブルを引き起こします。大切なことは、みんなといっしょに生活するためにはわがままは許されない、ということを体験を通して学んでいくことです。子どもに自分の行動の結果に目を向けさせ、相手の気持ちに気付かせることが大切です。

Q好き嫌いが多いのですが
一生続くものでもありません
家庭では食べなかったものでも、園でみんなといっしょだったら思わず食べてしまうという話を聞くことがあります。好き嫌いがあるといっても、この時期、味覚はそれほどはっきりしていませんし、子どもの時期の好き嫌いが生涯続くものでもありません。
無理強いすることがいちばん問題です
将来食生活を楽しむようになるためには、何でも食べられることではなく、自分の食べ物の好みを知っていることが必要です。いろいろな味を知り、自分の好みを知ることが大切なのです。
したがって、問題は、食べさせようとするあまりに、無理強いをしてしまうことです。子どもにはおいしさよりも保護者の怖い顔が印象に残り、ますます嫌いになることがあります。
いかに好き嫌いをなくすのかではなく、いかに楽しい雰囲気の中で食事をとるのかが大切ですし、食事時の一家目薬の雰囲気は何にもまさります。

Q言葉や体の発達などが、他の子についていけるか心配です
ひとりひとり異なって当然です
「みんなといっしょにやっていけるかしら」と心配する気持ちもわかりますが、案外、子どもは、その中でたくましく生きていくものです。また、幼児期は個人差が大きい時期であり、同じ場にいたとしても、興味の持ち方や遊び方は、これまでの生活経験や家庭環
境によってひとりひとり異なります。むしろ、異なることが当然です。
ひとりひとりの良さに目を向け、それを生かすことです
その子の「できない」どころではなく、「できる」ところに目を向け、その子の良さとして捉えることが大切です。例えば「のんびりや」ということは、見方を変えれば、「じっくり取り組む粘り強い子」ということになるのではないでしようか。

Q何をするのもゆっくりで、時間がかかってしまいます
その子のペースを大切にしましょう
幼児期は、生活経験や月齢差などにより、遊びへの取り組みや人とのかかわり方などいろいろな面で個人差が大きい時期です。したがって、この時期はその子らしい行動の仕方や考え方を大切にし、ひとりひとりのよさや可能性を生かした教育を行なうことを基本と
しています。マイペースながらも、その子なりに最後までしっかりやっているとしたら、おおいに認めてあげたいものです。
時間をかけて見守ることから
むやみに早く行動することや、みんなといっしょに行動することを求めることで、その子が持っている個性が発揮できなくなってしまっては問題です。集団生活に慣れ、互いに影響し合う中で、少しずつみんなといっしょに行動することができるようになっていく過程を、時間をかけて見守っていくことが大切なのです。

Qおしつこをもらしてしまいます
それだけ遊びに夢中になっているのかもしれません
この時期の幼児が遊びに夢中になり、ついトイレに行くことを忘れてしまい、あわててトイレに駆け込んだけれど間に合わず、もらしてしまうということはよくあります。
しかることよりほめることが大切です
入園後しばらくは、先生が時間を決めて「おしっこに行きたい人?」と誘ってくれると思いますが、だんだん必要に応じて遊びを中断し、自分でトイレに行くようになります。失敗することもありますが、そのことをしかったり、「困った子」とレッテルをはったりしないようにすることが大切です。うまくできたときにほめられることによって、幼児はだんだん意識するようになってきます。

Qものをたいせつにしません
ものの使い方がわかっていないのかもしれません
子どもの場合、ものを粗末にするというより、ものの使い方や特性を知らず、結果的に、ものを粗末にしてしまうことがよくあります。また、身近にいる大人たちの生活を見て、ものの扱いなどをまねしていることもあるので、子どもぱかりを責めるわけにはいきません。
自分のものへの愛着から「大切」を学びます
日本は豊かですから、ものを大切にしなければならないことを学ぶ機会は、意識して作ることが必要です。子どもは、みんなで使うものよりは、自分のものに愛着を抱き、おのずと大切に扱います。
そのためにも、持ち物には必ず名前と子どもがわかる目印をつけておきましょう。子どもといっしょに、自分のものを大切に使ったり、かたづけたりすることを通して、ものを大切にする心を育てる必要があります。
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